バックオフィス担当の鬼門、「重要書類」。
IT化が進んでいるとはいえ、まだまだ紙の書類ありますよね。
スタートアップでこれから書類管理を始めるタイミングだと、そもそも何順で並べて格納するか悩んだりしませんか?
何の書類をどれくらいの期間保管すべきか、格納方法も含めて解説していきたいと思います!
重要書類どうやって保管している?五十音順?年代順?
重要書類の保管方法と期間について解説します!
1. そもそも企業における重要書類とは?
企業における重要書類とは、法律で保管期間が定められている書類です。
業務上必要不可欠な情報を含む文書であり、企業の法的要件やビジネスの透明性を担保するために重要な役割を果たす文書たちです。
1.1 重要書類の例
重要書類には多くの種類がありますが、私の経験上、以下のあたりを覚えておいたら一旦OKです!
書題の種類 | 説明 | 具体的な保管期間 |
---|---|---|
会計関係の帳簿 | ・税務報告書 ・P/L、B/S ・個別注記表 ・固定資産台表 ・総勘定元帳 ・各種補助帳簿 | 10年間 |
株式関連 | ・株主総会議事録 ・取締役会の議事録 ・監査役会の議事録 | 10年間 |
取引関連 | ・仕訳帳 ・現金出納帳 ・売掛帳/買掛帳 ・請求書/注文書 ・契約書 ・領収書 ・見積書 | 7年間 |
給与関連 | ・給与所得者の扶養控除等(異動)申告書 ・従たる給与についての扶養控除等(異動)申告書 ・給与所得者の基礎控除申告書 ・給与所得者の配偶者控除等申告書 ・所得金額調整控除申告書 ・給与所得者の保険料控除申告書 ・退職所得の受給に関する申告書 ・源泉徴収票 | 7年間 |
人事関連 | ・従業員の身元保証書・誓約書 ・各種健康診断個人票 | 5年間 |
監査関連 | ・監査報告書 ・会計監査報告書 | 5年間 |
保険関連 | ・雇用保険の被保険者に関する書類 ・雇用保険被保険者関係届出事務等処理簿 | 4年間 |
労務関連 | ・労働条件通知書 ・退職届 ・労使協定書 ・労働保険料等納付証明書 | 3年間 |
これらは重要書類のほんの一部です。
業務上よく目にするものを列挙しました。
もちろん全ての保存期間を記憶する必要はありません。
重要書類にそういえば該当した気がする・・・と頭の片隅にでも覚えてもらって、捨てることを回避できればOKです。
オフィス移転や、書類が増えすぎて整理しよう!となった際に、詳しい保管期間を確認しましょう。
とにかく、企業に関係する書類は一旦全て保管しておくのがベターです。
また、2024年1月からは「電子取引のデータ保存」が完全義務化されました。
そのため、取引方法によっては電子で保存しなければいけない書類もあります。が、この辺りはまた別途記事にしたいと思います。
1.2 永久保管する書類
一部の書類は、企業にとって非常に重要であり、期間の定めなく永久に保存する必要がある書類もあります。
具体的には、
- 株主名簿
- 新株予約権原簿
- 登記簿謄本
- 許可書や認可書
- 特許料・登録料納付受領書
- 特許・登録証
- 労働協約にあたる書類
などなど。他にもたくさんありますが、一旦この辺りは頭に入れておきましょう!
2. 五十音順?年代順?書類の格納順について
2.1 書類格納の基本の「き」:五十音順と年代順の選択
書類の格納順に、明確な決まりはありません。
大企業やバックオフィスが既に整っている企業であれば、この辺りは整備されているかと思いますので、スキップでOKです!
出来たてのスタートアップで、これから書類管理をしていく、というバックオフィス担当の方向けの内容になります。
例えば、クライアントとの契約書で、クライアント名順に並べるのか、契約締結順で並べるのか・・・
意外と悩みませんか?
小さな点ですが、私はとても悩みました(笑)
何度も並び替えて、それだけで1日が終わる、なんてこともありました。
以下に五十音順と年代順のメリット・デメリットをまとめてみました。
格納方法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
五十音順 | 書類の検索が容易。特にクライアント別にみたい時に便利。 | 時間に沿った流れが分かりづらい |
年代順 | 時系列で情報が追いやすい。 例えば、請求書で○月分がない!などがわかりやすい。 | 特定の文書を見つけにくい |
2.2 実際の組織での使用例
多くの企業では、書類の種類によって格納方法が異なることが一般的です。
例えば、契約書類は年代順に、従業員の情報は五十音順に格納することが多いです。
これは、契約の時系列を把握する必要があるためと、雇用情報は頻繁に参照するため、検索性を優先しています。
2.3 私の経験から
私はバックオフィス業務をする中で、「クライアントAの契約書を確認したい。多分〇〇年に契約したと思う。」という依頼が現場からくる、ということが多くありました。
なので、この場合のおすすめのファイリング方法をお伝えします。
結論、五十音順と年代順のハイブリッドが一番おすすめです。
具体的には、以下のようにファイリングします。
- まず、年単位でファイルを用意(ファイルの大きさにもよりますが、3〜5年単位くらい)
- 次に、年単位でインデックスを入れて、その年単位の中で五十音順でファイリング
月単位に分けても良いのですが、クライアントAが何年何月に契約したかまで正確に覚えることは難しいです。
一方で、年単位であれば大体覚えていることがあるので、年単位で分けて、その中で五十音順で格納していきます。
2.4 最適な書類の格納順を選ぶためのヒント
重要書類はバックオフィスだけが関わる書類ではなく、現場からの依頼で提出する書類や、現場の人自身が格納するものもあります。
以下のポイントに気をつけながら、重要書類の管理体制を整えていきましょう!
- 書類の種類と使用頻度を考慮する
- 「検索制しやすさ」「時系列での追いやすさ」どちらが重要になる書類なのかを見極める
- 関連する人がどのように文書を検索しそうか想像する
- 情報の流れを理解しやすい格納方法を選ぶ
ちなみに、重要書類の格納におすすめのファイルは以下の記事で紹介しています!ぜひ合わせてみて見てください。
3. まとめ
今回は、意外に悩む重要書類について解説しました。
電子帳簿法なども始まり、電子と紙が混在して大変で面倒な時期だとは思いますが、一緒に頑張りましょう!
電子取引のデータに関する記事も別途作成予定ですので、お楽しみに。