バックオフィス業務において、必須で登場するExcel。苦手な人も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、関数の中でもバックオフィスで頻出するIF関数について使い方を説明したいと思います。
ExcelのIF関数完全攻略!基本から応用まで徹底解説します。バックオフィス担当必見です。
この記事でわかること
- IF関数の基本的な使い方から応用まで
- IFを使う他の関数について
1. ExcelのIF関数とは?
ExcelのIF関数とは、条件式が真(TRUE)か偽(FALSE)かによって、指定した2つの結果のいずれかを表示させる便利な機能です。
例えば、あるセルの値が一定の基準を超えているかどうかを判定し、それに応じて適切な文章や数値を出力することができます。
多くの企業やビジネスシーンで使用されており、エクセルを活用する上で欠かせない存在です。
IF関数の基本的な構造は以下です。
=IF(条件式, 真の場合の値, 偽の場合の値)
具体的な使用例を見ながら詳しく解説していきます。
1.1 IF関数の使用例
例題)以下の表のうち、30歳以上はチームA、30歳未満はチームBとする
まずは、条件に沿った論理式を作成
B列が30歳以上は、
B2>=30
となります。
論理式に使える比較演算子
比較演算子 | 意味 | 使用例 |
= | 等しい | A1=B1 |
<> | 等しくない | A1<>B1 |
> | 大きい | A1>B1 |
< | 小さい | A1<B1 |
>= | 以上 | A1>=B1 |
<= | 以下 | A1<=B1 |
次に、関数の公式に当てはめる
IF関数の公式は以下でしたね。
=IF(条件式, 真の場合の値, 偽の場合の値)
条件式は先ほどの、B2>=30
条件に当てはまる30歳以上はA=真の場合
その条件に当てはまらない29歳未満はB= 偽の場合
合体させて、
=IF(B2>=30,”A”,”B”)
こちらで完成です!
注意するのが、AとBを単語として認識させるために””で囲むことを忘れないようにしましょう!
囲まないと以下のようなエラーになります。
””で囲むと無事結果が反映されました。
最後に、他の行にも反映
最後に、他の行にも反映させましょう。
C2のセルの右端の▪️にカーソルを合わせオートフィルでコピーしましょう。
全ての行に正しく反映されました!
1.2 複数条件ある場合のIF関数の使用例
先ほどは条件が「30歳以上かどうか」という一つのみでしたが、
条件が複数になる場合はどのようにIF関数を使用するのでしょうか。
こちらも具体的な使用例をもとに説明します。
例題)20代はチームA、30代はチームB、40代以上はチームCとする
この場合、IF文の中にIF文を入れ込みます。(これを、入れ子またはネストと言います)
まずは条件を論理式にしよう
前回同様、まずは条件を論理式にしましょう。
40代以上→B2=>40
30代→B2>=30
20代→B2>=20
となります。
- Qなぜ30代の論理式が、B2>=30 AND B2<=39 とならないのか。(20代も同様)
- A
今回年齢が上の40代から式を組んでいきます。
この場合、B2=>40の時点で、39歳以下の全員が負の場合となります。
次の式で、B2>=30という論理式が入ります。
この時点で、39歳以下のうち、30歳以上が正の場合となります。
つまり、30〜39の人がBに分類されるのです。
このように、すでに前の式で制限が設けられているので、片方のみの条件で問題ないということです。
実際に公式に当てはめてみましょう
まずは、40代以上はCという式を作ります
=IF(B2>=40,”C”,負の場合)
次に、負の場合(=39歳以下の人たち)の箇所に、30代はBという式を入れ込みます。
=IF(B2>=40,”C”,IF(B2>=30,”B”,”負の場合“))
次に、負の場合(=29歳以下の人たち)の箇所に、20代はAという式を入れ込みます。
=IF(B2>=40,”C”,IF(B2>=30,”B”,IF(B2>=20,”A”,”負の場合”)))
最後どの条件にも当てはまらない場合は、空白にしておきたいので、負の場合の箇所に””を入れておきます。
=IF(B2>=40,”C”,IF(B2>=30,”B”,IF(B2>=20,”A”,””)))
これで完成です!
実際にエクセルに打ち込んでみた結果も問題なさそうですね。
最後に、オートフィルでコピー
最後に、他の行にもオートフィルコピーで反映させましょう。
問題なく反映されました!
1.3 複数条件ある場合に使うIFS関数
前項で、複数条件ある際のIF関数の使い方について説明しました。
完成した関数を見てみると、()が多くなり、正直とても見づらいです・・・
さらに条件を増えると、カオスな関数の式になってしまいます。
そのような場合は、IFS関数を使いましょう!
IFS関数の式はこちらです。
=IFS(条件式1,真の場合1, 条件式2,真の場合2, … , 条件式127,真の場合127)
“条件式1”が真であれば、“真の場合1”の値を返し、偽であれば、“条件式2”の条件を確認します。
“条件式2”が真であれば、“真の場合2”の値を返し、偽であれば”条件式3”の条件確認を続けていきます。
条件式は最大127個まで指定することができます。
こちらの関数を使えば、ネストすることなくシンプルになります。
先ほどの具体例をIFS関数で表してみましょう。
例題)20代はチームA、30代はチームB、40代以上はチームCとする
IFS関数で表すと以下のような流れになります。
40代以上はCとなる
=IFS(B2>=40,”C”)
40代以上でないならば、30代以上はBになる
=IFS(B2>=40,”C”,B2>=30,”B”)
40代以上でもなく、30代でもないのであれば、20代以上はAになる
=IFS(B2>=40,”C”,B2>=30,”B”,B2>=20,”A”)
これで完成です!
IF関数をネストするよりシンプルですね。
実際のエクセルに打ち込んでみましょう。
先ほどの結果と全く同じになりました!
1.4 エラー対策
エクセルのIF関数を使う際にエラー表示になることがあります。
その際は焦らず関数の式や参照するセルに間違いがないか確認しましょう。
IFERROR関数を利用したエラー回避
その他に、IFERRORという関数を使用して、エラーメッセージが出るのを防ぐことができます。
式は、以下です。
=IFERROR(何かしらの式や値,エラーの場合の値)
先ほどのIFS関数の例題を使って説明します。
例えば、吉村さんの年齢が分からず確認中の場合、C4はエラーになります。
ここに以下のようにIFERROR関数を加えると、#N/Aのエラーメッセージが出なくなります。
=IFERROR(IFS(B2>=40,”C”,B2>=30,”B”,B2>=20,”A”),””)
これは、「エラーの場合は空白にしておいて」という意味になります。
実際にエクセルに入れてみましょう。
無事エラーメッセージが消えて、空白となりました。
このようにエラーの原因がわかっていて、エラーメッセージを消したい場合は、IFERROR関数を使って見た目を綺麗にしましょう!
2. IF関数応用編
IF関数やIFS関数意外にも、”IF”とつく便利な関数がいくつかあります。
その中でも特にバックオフィス業務で、使用することが多い関数たちを紹介したいと思います!
2.1 条件に合った値をカウントするCOUNTIF関数
COUNTIF関数は、条件に合った値の個数をカウントする便利な関数です。
IF関数と似た式なので、合わせて覚えておきましょう!
式は以下です。
=COUNTIF(範囲, 条件)
例題をもとに説明します。
例題)以下の表の中から40代以上の人数を出してください。
=COUNTIF(範囲, 条件)
COUNTIF関数の公式に当てはめると、
範囲は、
A1:C9
条件は、
>=40
となります。
合わせると、
=COUNTIF(A1:C9,”>=40”)
となります。
条件式は””で囲まないとエラーになります
では、実際にエクセルへ反映してみましょう。
3名、正しくカウントされていますね!
条件に合った値をカウントしたい際は、ぜひ使いましょう。
2.2 その他の便利な関数
COUNTIF関数意外にも、IFを使った便利な関数がたくさんあります。
SUMIF関数
SUMIF関数は特定の条件に一致したデータを合計する関数です。
=SUMIF(範囲,検索条件,[合計範囲])
AVERAGEIF関数
AVERAGEIF関数は、条件に一致するすべてのセルの平均値を計算します。
=AVERAGEIF(範囲, 検索条件, [平均対象範囲])
この二つも詳しく説明すると頭がいっぱいになるかと思いますので、詳しい説明は別の記事にてしたいと思います!
頭の片隅に置いておいてください。
3. まとめ
今回は、IF関数、IFS関数、IFERROR関数、COUNTIF関数の具体的な使い方を説明しました。
この4つの関数は、バックオフィス業務において頻出関数なので、必ず覚えておきましょう。
エクセルの関数は、使ううちにどんどん身についていきます。
恐れず積極的に使用して業務効率化を図っていきましょう!