カジュアル面談とは?選考とは違う?実際の経験に基づいたリアルな見解を話します。
最近取り入れている企業が多くなってきた「カジュアル面談」。
選考とは異なると言われていますが、本当にそうでしょうか?
採用担当として、カジュアル面談をどのように捉え、面談後の選考プロセスをどう設計すべきか、
今回の記事では、そんなカジュアル面談に関するモヤっとポイントを、実際の採用経験に基づいた見解で解説していきます!
この記事でわかること
- カジュアル面談とはそもそもどのような位置付けなのか
- カジュアル面談は選考なのか?
- カジュアル面談で聞くと良いこと
- カジュアル面談後の選考プロセス
1. カジュアル面談とは?位置付けや背景について
1.1 カジュアル面談とは?
カジュアル面談とは、選考前に双方の理解を深めることを目的として実施する面談のことです。
選考中に行う場合もありますが、基本的には選考前に実施し、以下の2点を目的に行うことが多いです。
- 選考に進んだ際のミスマッチを減らす
- 応募ハードルを下げて、まずは話す機会を得て選考意向度を上げるチャンスにする
いきなり選考となると、なかなか応募を獲得できず、自社をアピールすることすらできません。
「選考ではなくカジュアル面談で気軽に話をしてみませんか?」というスタンスで始めることで、
自社をアピールするチャンスを獲得することが目的となります。
また、カジュアル面談時に仕事内容や期待することなどを話すことで、本選考へ進んだ際のミスマッチを減らすこともできます。
このように、企業・転職者双方にとってメリットがあるプロセスの一つと言えるでしょう。
株式会社学情が実施した調査では、4社に1社は「カジュアル面談」を実施しています。(2023年5月15日発表・株式会社学情「カジュアル面談」に関する調査)
また、カジュアル面談はその特性上、企業側からアプローチをするダイレクトリクルーティングで利用されることが多い手法です。
(関連記事)ダイレクトリクルーティングなど様々な採用手法について以下の記事でまとめていますので、併せてご覧ください。
1.2 カジュアル面談が増えた背景
人材不足
カジュアル面談が増えた背景として、人材不足により転職市場が転職者優位になっているということです。
企業が候補者を選ぶ時代は終わり、採用候補者にいかに選んでもらえる企業になるか、ということが重要になっています。
ミスマッチによる事業への影響
採用できたとしても、ミスマッチにより早期退職が発生したり、思ったように成果を発揮できない、ということがあります。
特にスタートアップでは、一人が企業に与えるインパクトはとても大きいです。
そのため、カジュアル面談を実施することによって、双方のミスマッチを減らしていきたいという考えが広まってきています。
1.3 カジュアル面談は選考?(Souの見解)
多くの方がモヤっとしている「カジュアル面談は選考なのか?」という疑問。
結論から言うと、「YESではあるが選考という言葉はふさわしくない」が私の見解です。
前述したように、カジュアル面談は、企業と候補者の双方の理解を深めることが目的です。
つまり、カジュアル面談を実施した結果、企業側からも少し要件と異なっていた、ということはもちろんあり得ることです。
企業側は候補者のレジュメなど何かしら表に出ている情報を元に連絡をしています。
ですが、その情報だけでは不十分なことがほとんどです。
見えている情報から、
「自社ときっと合うと思うから一度話をしてみたい」
「〇〇の経験に惹かれていてぜひ話してみたい」
そんな思いのもとスカウトやDMを送っています。
その上で、話をしてみて想像と少し異なっていた。ということは、企業・候補者双方にあり得ることです。
「選考して落とす」ではなく、「フラットに話をしてみた結果、双方の希望や要件と異なっていた」がカジュアル面談でお見送りになるという事象の本質だと思います。
このことから目を逸らし、
・書類選考を挟んで書類でお見送りにする
・違うかもと思ったが、スカウトを送った手前一度は面接をとりあえずする
など、機械的なことをするのは、本質とズレているとずっと感じていました。
大切なことは、カジュアル面談後に違うと感じたのであれば、忙しい中時間を作ってくれた候補者の方に感謝の気持ちを伝えつつ、違うと思った理由を丁寧に話すことです。
さらに理想は、話をした上で、「こっちの企業の方が合いそうだ」「キャリアの棚卸しができた」など、
候補者にとって何かしらの気づきを得てもらうことができたらベストでしょう。
仮に自社で採用できなかったとしてもです。
採用で大切なことは、自社のファンを増やすことです。
今すぐではなくても、違う形で関わることがあるかもしれません。
自社のカジュアル面談を受けることが、候補者にとってメリットになるような候補者体験を積み重ねることで、採用ブランディングにつながります。
中長期的な話にはなりますが、カジュアル面談という採用手法を取るのであれば、その本質を捉え、工数をかけて真摯な対応をすることが、結果として企業の価値を上げることになると私は考えています。
2. カジュアル面談のメリット・デメリット
カジュアル面談のメリット・デメリットにはどのようなものがあるのでしょうか?
それぞれ以下のような点が挙げられます。
2.1 カジュアル面談のメリット
- 選考のハードルを下げることによって、まずは話す機会を得ることができる
- 選考に進む前に双方の理解を深めミスマッチを減らすことができる
- 転職をまだ考えていない潜在層や優秀層にもアプローチができる
- 企業側から候補者のレジュメ等を見て連絡をするため、求めている人材に能動的にアプローチができる
2.2 カジュアル面談のデメリット
- 候補者のリストアップや連絡をするのに工数がかかる
- 転職意欲が高くない人も多いため、自社へ入社するまでの選考リードタイムが長い
- カジュアル面談で微妙と思われてしまうとその後の選考へ進んでもらえない
メリットが多くあるカジュアル面談ですが、その分工数と時間がかかります。
自社の採用計画と紐づけて導入するかどうか検討しましょう。
3. カジュアル面談の流れ
3.1 カジュアル面談の一般的な流れ
カジュアル面談の流れに明確な決まりはありません。
一般的には、以下のような流れで実施することが多いです。
- 企業側から自己紹介
- 候補者ではなく、企業側からまずは自己紹介をしましょう!
- 簡単なアイスブレイクもあると緊張が解けるのでGoodです
- 候補者側から自己紹介
- 候補者側からも簡単でもいいので自己紹介をしてもらいましょう
- お互いの認識合わせ
- 今回なぜカジュアル面談の依頼をしたのか、惹かれている点などを伝えましょう
- 候補者側にはなぜカジュアル面談を受けようと思ってくれたのか聞いてみましょう
- その上で、今回のカジュアル面談は「双方の理解を深める」場であることを伝えましょう
- 自社の説明
- 会社の説明資料などを用いて自社の説明をしましょう
- この際に、興味を持ってくれたポイントに併せて話の焦点を変えるとGoodです
- 会社が今抱えている課題や、その課題に対してこのような点で力になってもらえるのではないかと思った、などリアルな話も盛り込むと良いでしょう
- 候補者へのヒアリング
- 質問攻めにならないように注意しましょう。
- あくまで会話をすることを意識して、現状の転職状況や今後のビジョンなどをヒアリングしましょう
- 候補者からの質問
- 候補者から質問があれば答えていきましょう
- なかなか質問が出てこなければ、プライベートなことでもなんでもOKですよ。と一言添えてあげると良いでしょう
この流れはあくまで一般的な流れです。
繰り返しにはなりますが、カジュアル面談はフラットに双方の理解を深める場です。
もし話をする中で、双方違うね、となったらそれもカジュアル面談の目的を達成していると言えます。
カジュアル面談の雰囲気を見つつ、もし違うとなったら、丁寧にその点について話をしてみるのも良いでしょう。
「質問をする」というよりは、「候補者と会話をする」という意識で行うことがポイントです!
3.2 カジュアル面談は履歴書は貰う?貰わない?
基本的にはカジュアル面談時に履歴書は貰わない方がいいでしょう。
候補者側から自主的に提出してくれたら、それはありがたくいただきましょう。
理由としては、カジュアル面談は「話をしてみるだけなら・・・」という温度感の人が多いです。
その中で、履歴書を求められると、カジュアル面談を辞退される可能性もあります。
せっかく手に入れた面談の機会です。
事前に把握しておきたいこともあるかとは思いますが、気になることは面談で聞いてみるようにしましょう。
4. カジュアル面談後はどうする?
4.1 企業側としてぜひ選考に進んで欲しいと思った場合
カジュアル面談の結果、ぜひとも本選考に進んで欲しい!となった場合、その旨をなるべく早く候補者へ伝えましょう。
カジュアル面談の最後に直接伝えるのがベストです!
また、伝える際にどのような点がよくて本選考に進んでほしいと思ったのか、理由も添えるとより効果的でしょう
4.2 カジュアル面談の結果、要件とマッチしないと思った場合
可能な限り、カジュアル面談の中で合わないと思った点について丁寧に伝えましょう。
伝え方はかなり難しいでしょう。
ですが、時間を作ってくれたことへの感謝も忘れず伝えつつ、なるべく真摯な対応を心がけましょう。
もしカジュアル面談後に伝える場合も、メールにて丁寧に理由を伝えましょう。
書類選考を挟んで書類で落とす、という企業もありますが、あまり本質的ではないためおすすめはしません。
マッチしなかったとしても、「この企業のカジュアル面談に参加して良かった」と思ってもらえるような時間にすることが大切です。
5. まとめ
今回はカジュアル面談について、私のこれまでの採用担当者としての経験に基づいて説明をしました。
企業によってカジュアル面談の方針はかなりばらつきがあるでしょう。
採用するポジションや難易度によってもフローは変わります。
ですが、カジュアル面談がどのような役割で本質は何か、その点だけは共通だと思いますので、対応を検討されている採用担当の方いましたら、ぜひ参考にしてみてください!