総務の仕事内容とは?向いている人と向いていない人の特徴までわかりやすく解説します。
「総務」と聞くと、なんとなくやっていることはわかるが、具体的な役割はあまり把握できていない人の方が多いのではないでしょうか?
今回の記事では、総務とはどんな役割を担っているのか、総務に向いている人と向いていない人の特徴までわかりやすく解説していきます!
この記事でわかること
- 総務の仕事内容と役割
- 総務に必要なスキル
- 総務に向いている人と向いていない人の特徴
1. 総務とは?
1.1 総務の役割
総務は、「縁の下の力持ち」と表現されることがあります。
言葉の通り、表に出て売上を上げたりするのではなく、企業が円滑に運営されるようにオフィスの管理から株主総会の運営まで、多岐にわたる業務を担当します。
他の人が誰も担当しない業務は全て総務が担当することになる、と言っても過言ではないでしょう。
また、基本的なバックオフィスの機能として、労務・総務・法務・人事・経理があります。
スタートアップでは、これらの機能に対して専任で誰かがいることはあまりありません。
大企業であれば、専任担当がいますが、スタートアップなどは基本的にはどれかの機能を兼務したり、全て一人で行うこともあります。
ですので、企業の状況によって、総務が法務も兼務したり、労務を兼務したりと様々です。
どのような業務を担当する場合においても、総務は組織において重要な役割を果たし、円滑な運営や従業員の満足度向上には欠かせない職種です。
(関連記事)バックオフィスの業務内容の詳細はこちらの記事をご覧ください。
1.2 総務の具体的な仕事内容
では、具体的にはどのような業務を担当するのでしょうか?
代表的な業務内容を説明します。
備品・オフィスの管理
オフィス機器や家具、消耗品などの管理を行います。
また、パソコンやコピー機、電話・FAXなどのオフィス機器やデスク、椅子などの家具の在庫管理、補充、故障時のメンテナンス手配なども総務が担当します。
施設管理においては、オフィスビルの空調機器や照明、防災設備の維持管理、清掃業務の選定などを行い、オフィス移転をするとなった際は、先頭に立って移転業務を推進します。
社内イベントの企画・運営
新年会や忘年会、入社式など、企業には様々な社内イベントがあります。
これらの社内イベントの準備から運営、片付けまで総務が中心となって行います。
また、どのような社内イベントを実施したら従業員の満足度向上や、ロイヤリティ向上につながるかイベントを企画し、提案することもあります。
株主総会業務
株主総会に関する業務も一般的には総務が担当します。
総会全体の司会進行や想定問答集・配布資料の作成、株主への招待状の送付、議事録の作成などを行います。
登記業務
役員が変更になったり、オフィス移転があったりすると、登記を行う必要があります。
その際の登記資料を準備し、法務局へ申請書類を提出します。
登記業務に関しては専門的な知識が必要となりますので、司法書士に依頼をすることもあります。
電話・メール・郵便物対応
社外からの電話やメール対応を総務が担当することもあります。
また、郵便物の管理も担当します。
重要書類の管理にも紐づきますので、重要な業務の一つです。
福利厚生の運用・管理
福利厚生の運用や管理は、労務担当が専任でいる場合は労務担当が行うことが多いですが、いない場合は総務が担当します。
福利厚生には様々ありますが、健康診断の手配や有給取得状況の管理、申請があった際の対応など、企業ごとに業務が異なります。
2. 総務に必要なスキル
総務は業務が多岐に渡ることがわかりましたが、どのようなスキルが求められるのでしょうか?
また、何か資格は必要なのでしょうか?
一つずつ解説します!
2.1 総務に必要なスキルとは?
コミュニケーション力
総務は他部署との連携や依頼をすることが多くある職種ですので、円滑に業務を進めるためにも、コミュニケーション能力が求められます。
情報共有をする際は、漏れや誤解がないよう丁寧に行いましょう。
また、社内イベントなどで業務を依頼する際は、相手の状況などを鑑みて適切に依頼をするよう心がけましょう。
IT関連の知識
労務管理ツールや会計ツールなど、ITツールを多く利用します。
また、現在バックオフィス向けに様々なITツールが出てきています。
これらの情報をキャッチアップし、適切なITツールを導入することで、業務のDX化を推進し、生産性の高い環境を整えることが、総務としてキャリアアップするにあたって必要なスキルとなります。
バックオフィスはまだまだアナログな業務が多く残る部署です。
IT関連の知識を持っていると、他の総務の人と差別化し市場価値を高めることにつながるでしょう。
スケジュール管理力・マルチタスク能力
総務は同時並行で、様々な業務が進行します。
それぞれの業務のスケジュールを正確に判断し、期日を守りつつ業務を推進するスケジュール管理力・マルチタスク能力が求められます。
2.2 総務に資格は必要?
結論、総務は特別な資格は必要ありません。
ですので、比較的未経験でもチャレンジしやすい職種であると言えるでしょう。
一方で、業務範囲が多岐に渡りますので、持っておくと良い資格がいくつかあります。
MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)
マイクロソフト オフィス スペシャリスト(MOS)は、マイクロソフト社が主催する、Excel・Word・PowerPointなどのMicrosoft Office製品の知識・操作スキルを客観的に評価・証明する資格試験です。
試験は実際にパソコンを操作する実技形式で行われるため、MOSを取得することは実践的なパソコンスキルを有することの証明となり、就職・転職時のアピールとしても活用できます。
MOS公式サイトより
MOSを持っていることで、客観的にExcelやWordがどれくらい使えるかをアピールできます。
実務において使う場面が多くありますので、もし全く使ったことがないという場合は、事前にMOS資格の取得しておくと良いでしょう。
簿記
簿記とは、企業の経済活動を会計の決まりに則って記録し、企業の経営状況を数字で判断できるようにすることです。
主に、経理担当が取得することが多い資格ですが、
もし経理専任がおらず、経理業務を総務が兼務する場合、持っていると良い資格です。
簿記には、日商簿記・全経簿記・全商簿記の3種類があり、一番有名なものは日商簿記です。
日商簿記3級を持っていれば一通りの実務は問題なくできますので、業務の幅を広げたいという人は取得しておくと良いでしょう。
(関連記事)経理業務や日商簿記の詳細についてはこちらの記事をご覧ください。
秘書検定
秘書検定とは、社会人として必要な知識・マナーをどれくらい身につけているのか、客観的に示すことができる検定の一つです。
総務は、取材対応や来客対応などで社外の人と関わる機会もあります。
その際に、企業の担当者として恥ずかしくない振る舞いが求められますので、取得しておくと転職の際には有利に働くでしょう。
3. 総務に向いている人と向いていない人
3.1 総務に向いている人の特徴
総務に向いているのは以下のような特徴がある方です。
協調性がある人
総務は他の部署を巻き込んで、業務を推進する機会が多くあります。
社内イベントの運営などが一番わかりやすい例かと思います。
他の従業員の人の協力を仰ぎながら業務を進めていきますので、協調性を保ち、チームで連携できる人が向いています。
臨機応変に立ち振る舞える柔軟さを持つ人
特にスタートアップでは、総務の業務は兼務になることが多くあります。
自身の業務内容が朝令暮改で変わることは日常茶飯事ですので、状況が変わったとしても、焦らず臨機応変に柔軟な対応できる人が向いています。
周りをよく見て些細なことに気づくことができる人
総務は企業の運営をスムーズにするための業務をなんでもこなします。
そのため、「従業員の人が困っていそうなことはないか」「オフィスをもう少しこうしたら仕事しやすい環境になるのではないか」など、よく周りを見て細かいことでも気づき行動できることが求められます。
礼儀正しい人
来客対応や、時に広報として取材対応をすることもあります。
企業として恥ずかしくない振る舞いが求められますので、一定のマナーがある人の方が向いています。
口が堅い人
従業員の個人情報や重要書類など、機密情報を扱うことがあるため、情報漏洩を防ぐために口が堅い人が求められます。
自分が総務であるという自覚を持ち、言動に細心の注意を払うことが必要です。
3.2 総務に向いていない人の特徴
一方で、以下のような特徴がある方は総務にはあまり向いていない可能性が高いです。
人と関わることが好きではない人
総務はあまり人と関わらないと思われる方もいらっしゃいますが、実際は他部署との連携が多く、人とコミュニケーションが必要な場面はたくさんあります。
ですので、「一人で黙々仕事をしたい」「あまり人と関わりたくない」という人には向いていません。
人を支えることより自身が活躍したい人
総務は、「縁の下の力持ち」です。
自身が直接売上を上げることはなく、間接的に企業の成長に寄与をする職種です。
そのため、自分自身が成果をあげて活躍したい!という人には向かないでしょう。
デスクワークが苦手な人
総務は、デスクワークが中心となります。
ですので、デスクワークが苦手な人には毎日が苦痛になる可能性があります。
また、WordやExcelなどを使う機会も多くありますので、ITツールに対して耐性がないと、最初キャッチアップに時間がかかってしまいます。
細かい作業や正確さ求められる業務が苦手な人
総務は、細かい作業やミスが許されない業務が多くあります。
もちろん、どの業務においてもミスはよくありませんが、給与や福利厚生など、ミスをした時に従業員から企業に対して不信感を抱かれてしまう可能性があります。
「バックオフィス大丈夫?」と不信感を抱かれしまうことが、企業の円滑な運用にとって一番NGなことです。
4. まとめ
今回は、総務について業務内容から向いている人・向いていない人の特徴について解説をしました。
ポイントをおさらいしましょう。
- 総務は、「縁の下の力持ち」として、企業のスムーズな運営に関わる業務を多岐に渡って担当する
- スタートアップでは、総務以外にも労務や経理などを兼務する場合が多い
- 総務には特別な資格は必要ないが、あると良い資格がいくつかある
- 総務に向いている人、向いていない人の特徴を理解した上で、未経験でもチャレンジしやすい職種である