紹介の質を上げる人材エージェントとの連携方法について。実体験を元に解説します!
採用担当の悩みの一つに、「人材エージェントから紹介がない」「紹介があっても要件とマッチしていない」などの課題を抱えている担当者は多いのでしょうか?
特に、スタートアップなどのまだできて間もない企業は認知度も低く、自社の魅力を伝えて優秀な人材を紹介してもらうことはなかなか難しいです。
私も一人バックオフィスとして、中途採用に5年ほど携わってきました。
今回の記事では、私自身の経験に基づいて、出来立てのスタートアップの採用担当者向けに、効果のあったエージェントとの連携方法やコミュニケーションを紹介したいと思います。
この記事でわかること
- 人材エージェントのメリット、デメリット
- スタートアップにおける人材エージェントとの連携方法について
1. 人材エージェントについて
1.1 そもそも人材エージェントとは?
人材エージェントとは、人材を紹介してもらい、入社が決定したら成果報酬を支払うという採用手法の一つです。
成果報酬は、決定年収の30〜45%くらいで設定している人材エージェントが多いです。
ほとんどの人材エージェントが、初期費用がかからないので、気軽に導入できる採用チャネルの一つと言えるでしょう。
(関連記事)採用チャネルに関する記事はこちらをご覧ください。
1.2 人材エージェントのメリット・デメリット
人材エージェントのメリット・デメリットとして以下の点が挙げられます。
- 人材紹介会社の人が代わりにターゲットにアプローチをしてくれる
- 初期費用がかからない
- 内定承諾に至るまで採用のサポートを受けることができる
- 初期費用はかからないが、成果報酬の金額が高い
- 会社のことや要件を適切にエージェントへ伝える必要がある
- エージェントとの関係性構築が重要となる
- 担当者によって紹介者の質にバラつきがある人材紹介会社もある
デメリットを解消するために一番重要になってくるのが、人材エージェントとの情報連携です。
人材エージェントへどこまで適切に情報を連携できるか次第で、良い人材を紹介してもらえるかどうかが決まります。
ここで言う連携すべき情報とは、以下のような情報を指します!
- 事業内容や将来の展望
- 企業の市場におけるポジションや、市場規模について
- 採用の要件
- 選考お見送りの理由
1.3 人材エージェントの種類
人材エージェントには、RA(リクルーティングアドバイザー)とCA(キャリアアドバイザー)がいます。
簡単に言うと、企業側の担当か転職者側の担当かどうかの違いです!
RA=企業側の担当者
CA=転職者側の担当者
このRAとCAを両方同じ人が担当している人材エージェントを「両面型」と言います。
一方で、RAとCAが分かれている人材エージェントを「片面型」と言います。
どちらもメリット・デメリットありますが、スタートアップにおいては、両面型のエージェントの方がおすすめです。
片面型エージェントだと、RA担当に伝えたことがCA担当に適切に伝わらなかったり、候補者の詳細についてRAが把握できていないということがありました。
その反面、両面型だと認識の齟齬なく、ミーティングで伝えたことが候補者に伝わりやすいです。
2. 人材エージェントとの連携における課題
2.1 そもそも紹介をしてもらえない
人材エージェント側も、候補者から応募を獲得しないと紹介が出来ません。
その中で、まだ認知度も実績がないスタートアップですと、応募を獲得することは容易ではありません。
また、人材エージェント側も複数の企業を担当しています。
ですので、もちろん担当している企業の中でも優先度があるでしょう。
良い人材が現れた時に、「あの企業へ紹介しよう!」と、自社のことが頭に浮かんでもらわないといけません。
日頃からコミュニケーションを密にしていないと、なかなか頭に浮かぶことはなく、優先度はどんどん下がっていくでしょう。
2.2 紹介してもらっても要件とマッチしていない
「ついに紹介が来た!」
と思ったら、全然採用要件と異なる人材だった、ということも多くあります。
原因としては、
・欲しい人物像に関して、細かいニュアンスなどが適切に伝わっていない
・紹介を待っている間に採用要件が変わっていたが、人材エージェントへ変更内容が連携できていなかった
ということが考えられます。
2.3 採用要件の変更が多くタイムリーな連携が難しい
スタートアップにおいては、欲しい人物の要件がどんどん変わります。
私がいたスタートアップでも、要件の変更が毎週のように起きていました。
変更の理由としては、
・事業の成長に伴い、欲しい人物の要件が変わった
・面接をする中で、欲しい人物像がより具体的になり、当初の想定ペルソナから変更が発生した
などがあります。
採用要件の変更は決して悪いことはでありません。
しかし、その変更内容がタイムリーに人材エージェント側に伝わっていないと、要件と異なる人材を紹介されてしまいます。
(関連記事)採用ペルソナや要件の決め方についてはこちらの記事をご覧ください。
3. 効果があった人材エージェントとの連携方法
人材エージェントとの連携において様々な課題がありますが、解決するにはどのような施策を行うと良いのでしょうか?
実際にやってみて効果があった方法を紹介します。
3.1 経営層にミーティングに同席してもらう
人材エージェントと契約をする際、採用要件を伝えるミーティングを大体行います。
その際に、できるだけ代表もしくは取締役などの経営層に同席をしてもらいましょう。
経営層にどんな人がいるのかも候補者へのアピールポイントになります。
ですので、可能な限り同席してもらい、会社のビジョンや今後の方向性などは、直接経営陣から語ってもらう方が望ましいです。
3.2 カジュアル面談スタートOKとする
一次選考を面接ではなく、カジュアル面談でのスタートもOKとしましょう。
これは、応募ハードルを下げる施策です。
「応募するかまだ悩んでいるが、興味はある」という候補者に対して、まずは自社を知ってもらう目的でカジュアル面談を実施します。
カジュアル面談であれば一旦話してみよう、と思ってくれる候補者は多くいます。
カジュアル面談で自社に興味を持ってもらえたら、本選考に入るという流れになります。
まずは少しでも多くの人に会ってみる、という姿勢が大切です。
人材エージェントに対して、「少しでも興味を持ってくれる人がいたら、カジュアル面談スタートでもいいので繋いでください!」と打診してみましょう。
3.3 人材エージェント向け資料の作成
採用候補者向けに採用資料を作っている企業は多くあるのではないでしょうか。
一方で、人材エージェント向けに資料を作成している企業はあまりありません。
作成する目的は以下です。
- ミーティングでは伝えきることのできない事業や採用要件について的確に伝える
- ミーティングに参加していない他のエージェントにも社内共有してもらう
- 口頭だけだと忘れてしまうことも資料にまとまっていると振り返ることができる
人材エージェント側も日頃から多くの企業とミーティングを実施しています。
自社についてまとまった資料があれば、ミーティング後もし内容を忘れてしまっても、認識の齟齬なく伝えることができます。
エージェント向け資料には以下のような内容を盛り込むと良いでしょう。
- 事業内容について
- 事業概要
- 事業の優位性
- 事業の今後の展望
- 市場について
- 市場規模
- 市場における自社の現在のポジション
- 市場における今後取りにいきたいポジション
- 採用要件について
- 必須スキル、歓迎スキル
- ペルソナ
- ポジションの推しポイント
- よくあるQA
- エージェントや採用候補者からよくある質問に対する回答を記載
- 参考資料
- プレスリリース、取り上げられた記事、インタビュー記事等
採用資料のように凝ったものでなくて大丈夫です!
パワーポイントやNotionなどでOKですので、伝えるべきことをまとめましょう。
できれば、変更があった際に更新がしやすいものが良いので、
Notionやスプレットシートなど、クラウドサービス上で展開できるツールがおすすめです!
3.4 コミュニケーション方法をチャットツールにする
可能であれば、コミュニケーションをメールではなく、Slackやチャットワーク、メッセンジャーなどのチャットツールへ変更しましょう!
この施策は、自社がチャットツールを導入している&人材エージェント側も使用OKの場合に限りますが、
スピーディかつ密にコミュニケーションを取るにあたってとても有効です。
3.5 お見送り理由を詳しく丁寧に伝える
カジュアル面談であれ選考であれ、お見送り理由を丁寧に詳しく伝えましょう。
お見送り理由を丁寧に伝えることで、双方の認識が少しずつ揃い、紹介の質が上がっていきます。
4. まとめ
今回は、人材エージェントからの紹介の質を上げる方法について、実体験をもとに紹介をしました。
大切なことは、紹介をただ待つだけではなく、人材エージェント側の立場に立って、どのような情報が必要かを考えてこちらから行動を起こすことです。
ポイントをおさらいしましょう。
- 人材エージェントとは、成果報酬型の採用チャネルの一つ
- 質の高い紹介を増やす方法は以下の5つ
- ミーティングに経営層も同席してもらう
- カジュアル面談スタートをOKとする
- 人材エージェント向けの資料作成
- コミュニケーションをチャットツールで行う
- お見送り理由を詳しく丁寧に伝える
- 人材エージェント側の立場に立って、欲しい情報は何かを考えてこちらから行動することが大切